マイナ保険証とは?
マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みです。これにより、医療機関や薬局での手続きが簡素化され、さまざまなメリットが生まれます。政府は2024年12月2日から現行の健康保険証を廃止し、原則としてマイナ保険証の利用を義務化する方針を発表しました。
マイナ保険証には便利な点が多い一方で、デメリットも存在します。本記事では、メリットとデメリットを詳しく解説します。
マイナ保険証のメリット
1. より良い医療の提供
マイナ保険証を利用することで、過去の診療情報や薬剤情報、特定健診の結果を医師と共有できます。これにより、患者の状態を把握しやすくなり、重複検査や重複投薬のリスクを減らすことができます。
2. 高額療養費制度の適用が容易
従来は高額療養費制度を利用する際、限度額適用認定証を事前に申請する必要がありました。しかし、マイナ保険証を利用すると、その場で自動的に限度額が適用され、窓口での高額な医療費の一時的な支払いが不要になります。
3. 医療費控除の手続きが簡単
確定申告時に医療費控除を受けるには、従来は領収書を保管しておく必要がありました。しかし、マイナ保険証を利用すると、マイナポータルで医療費の記録を確認でき、簡単に申告できるようになります。
4. 保険証の切り替えが不要
就職や転職、引越しをした際に健康保険証の切り替え手続きが不要になります。従来の紙の保険証では、新しい保険証が届くまでの期間に医療機関で受診する際、仮の証明書が必要でしたが、マイナ保険証ならそのまま利用できます。
5. 医療費の窓口負担が軽減
マイナ保険証を利用すると、初診料や再診料が従来よりも安くなります。例えば、マイナ保険証を利用した場合、通常よりも数十円程度負担額が減ることがあります。
6. 医療情報の一元管理
マイナポータルを通じて、自身の診療情報や薬剤情報をいつでも確認できるため、健康管理に役立ちます。特に、複数の病院を受診している場合、薬の重複投与を防ぐことができます。
7. 災害時の対応
災害時に健康保険証を紛失した場合でも、マイナンバーカードを持っていれば、医療機関で健康保険を適用した診療を受けることができます。
8. お薬手帳アプリとの連携
マイナ保険証は、お薬手帳アプリと連携することで、薬の情報を一元管理することができます。服薬履歴を簡単に確認でき、薬局での処方をスムーズに行うことが可能です。
マイナ保険証のデメリット
1. システム障害や通信トラブルのリスク
マイナ保険証の利用には、オンラインシステムを介した本人確認が必要です。しかし、システム障害や通信環境の不具合が発生すると、利用できなくなる可能性があります。過去には全国規模のシステム障害が発生し、一部の医療機関で受付ができなくなる事例も報告されています。
2. 個人情報漏洩のリスク
マイナ保険証では、オンラインで医療情報(薬剤履歴・特定健診情報など)が管理されるため、ハッキングなどによる不正アクセスのリスクがゼロではありません。政府は高度なセキュリティ対策を施していますが、サイバー攻撃の標的となる可能性があり、個人情報の取り扱いには注意が必要です。
まとめ
マイナ保険証は、医療の質を向上させ、患者の負担を軽減する多くのメリットがあります。しかし、一方でシステム障害や情報漏洩リスクなどのデメリットも存在するため、利用に際しては慎重に検討することが重要です。政府は今後、システムの安定運用やセキュリティ対策を強化し、より安全で便利な仕組みを提供することを目指しています。
出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)
出典:デジタル庁